真夜中の影絵だより★2005〜2012 -3ページ目

影絵的・日常「火の魚」と金魚坂カフェ

$真夜中の影絵だより ★・・・-火の魚

ふと思い立ち、室生犀星の「火の魚」初版本を購入してみました。装幀は著者本人、装画は山口蓬春という、とても贅沢な1冊でした。火の魚以外の話も入っているので、読むのが楽しみです。なんといっても、ネット上にあるめちゃくちゃな相関図によると、私と一番つながりの強い人はジョン・ダウランド(中世のリュート奏者)、次が室生犀星となっていますし。ちなみにタイトルですが、火の“さかな”ではなく“うお”と読むそうです。

$真夜中の影絵だより ★・・・-金魚坂カフェ

時を同じくして訪れたのは、本郷にある金魚坂カフェ。職場の人たちとランチをしました。入口は金魚屋さんで、たくさんの金魚たちが生け簀の中で泳いでいます。なんとも涼しげでいい感じです。(この金魚は1匹8千8百円なり~)
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-金魚坂カフェ

店内は、広くないけれど天井が高く落ち着いた雰囲気です。金魚の絵がいっぱい飾ってあります。ランチも少々お高めですが、美味しくてとても満足しました。このまま優雅に読書でも、といきたいところですが、その後東大で打ち合わせあり、くつろぎ過ぎた私たちは、慌てて店を出るはめになるのでした。

真夜中の影絵だより「増毛の影絵紙芝居」

$真夜中の影絵だより ★・・・-増毛

今年も増毛(北海道)の民話3話を影絵紙芝居にしています。着手してからかれこれ数ヶ月経ちますが、作っても作っても終わりません。7月半ばの完成を目指していますが、プライベートでも会社でもその時期終わらせなくてはならないややこしいことが重なり、今年最初の大きな山場を迎えています。今月末には、増毛で影絵のお披露目会とワークショップも行う予定。なので増毛を目指して“えっさこいさっさ”の7月であります。
 
追伸。肩こり解消のため、毎朝テレビ体操に励んでいます!

影絵的・日常「ヒナの季節」

$真夜中の影絵だより ★・・・-すずめ

細々とではありますが、野鳥保護の施設の手伝いを続けています。これから夏にかけて保護されるヒナも増えるので、掃除の合間にさし餌の講習も受けました。スズメ、メジロ、ツバメ、みんな小さな体なのによく食べます!
 
神奈川県には、野生の傷病鳥獣を保護する施設がいくつかあり、リハビリテーターという資格を持つボランティアが、獣医さんたちと一緒に活動しています。私も今年初めにその資格をとり、先日はズーラシアの動物病院内にある保護施設を見学させてもらいました。この後、金沢動物園、野毛山動物園の施設も見学し、もしも自分の通えそうな所があればボランティア登録して、定期的に手伝いに行く、ということになっています。私もどこかの動物園で手伝えればな、と思つつ、どこも遠いのがネックです。
 
相変わらず、影絵の制作は遅れ気味で・・・。

昭和の児童書「ふしぎなつむじ風」

「ふしぎなつむじ風」(大石真・著  斉藤博之・絵 あかね書房 1970年)
 
『みんなは、うっとりして、先生のピアノに聞きほれてしまいました。そのころから、雨はいちだんとはげしくなり、あたりはまっ暗になりました。いなずまが、教室の中を青色や白色にてらして、地面をゆるがして、ごうごうと、かみなりがとどろきわたりました。しかし、先生はそんなことには目もくれずに、むちゅうで歌いだしました。

 
真夜中の影絵だより ★・・・-ふしぎなつぶじ風

突如、担任の先生のかわりに現れた不思議な風貌の大きくて怖い先生。その正体を子どもたちがあばいていくというお話です。近所に住む数歳年上の近藤ともこちゃんが持っていた本で、小学生の頃、何度も借りて読み、ともこちゃんがお嫁に行く際、ついに譲り受けました。裏表紙にマジックで「近藤」と書かれたわが家のお宝本です。

真夜中の影絵だより ★・・・-ふしぎなつぶじ風
 
雨の季節になると、よくこの本を思い出します。ワニのような先生が雨の日の音楽室でピアノを弾くことから、私の頭の中には“音楽室=ワニ”というイメージが定着しています。大人になってからこんな影絵 も作ってみました。
 
真夜中の影絵だより ★・・・-ふしぎなつぶじ風
 
大石真さんの作品はとても好きで、特に斉藤博之さんの挿絵が加わるとわくわくしてきます。小学校ってこんな感じだったかな。今となっては懐かしい気持ちにもなれる1冊です。

影絵的・つぶやき「睡魔との戦い」

$真夜中の影絵だより ★・・・-Aトレイン

朝5時に起きてシャワーを浴び、それから8時頃までの数時間は、1日の中で唯一目がすっきり覚めている私にとってのゴールデンタイムです。余裕のある時はパソコンを開いてメールチェックしたりもしますが、ここ数ヶ月はずっと原画制作にあてています。その後は出勤するにしても、家で作業を続けるにしても、常に睡魔との戦いです。

ベットでしっかり寝てしまうと熟睡して朝起きられないので、夜は寝心地悪くするため、固い床の上に直接寝ています。これは、昔、映画の美術助手をやっていた時代、寝坊防止のために編み出した寝方で、忙しい時期は今でもずっと実践しています。今年はこの状態が、少なくとも10月いっぱいまで続く予定。先は長けれど、1日1日はあっという間です~。

影絵的・日常「困ったアトリエ」

$真夜中の影絵だより ★・・・-アトリエ

とにかく狭いわがアトリエ。原画制作期間中はいつもすごいことになっています。ちょっとした「紙屋敷」です。大きい紙やフィルターを広げるスペースがないのが、なんといってもネックでしたが、ちょっとひらめいて部屋の中央につっぱり棒を。よく使う紙類をカットして吊るしてみると、ほ~ら、この通り。→こうなると鹿の頭がちょっと邪魔です。(鳩時計の鳩が飛び出たままになっているのも問題です。)
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-アトリエ

それだけでは事足りず、玄関にも吊るしました。センスのないのれんのようですが、このお陰で、作業が数段楽になりました。つっぱり棒様様です。
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-アトリエ

狭い部屋に暮らしていると物を置くには限界があり、どうしても空間利用が求められます。ここ数年私の中でのヒットは、机の脚にフックをいっぱいつけ、下絵やら定規やらを必要ない時はぶら下げておくことです。これで机の上がずいぶん広くなります。紙袋はくず入れになっています。これはなかなか便利です。どこかの学会で発表したいくらいです!

影絵的・日常「思い出ぽろぽろ・その2」

真夜中の影絵だより ★・・・-メリーゴーランド

物置にしていた両親の家が売却され、私の手元にはウィスキーと、大学時代の卒業制作で作ったメリーゴーランドの写真1枚だけが残されました。このメリーゴーランド、直径60センチ以上あり、動物たちは上下に動きながら回転し、さらに屋根の上の小さなメリーゴーランドも逆回転します。当時の私は、なぜだか動くものの仕組みに興味があったようです。
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-メリーゴーランド

最終的に一人では持てないほどの大きさになったため、この“力作”は、卒業と同時に壊されました。後に、映画の美術を手伝っていた頃、撮影所内の建具屋さんにお願いして、動物と壁面部分だけ平べったく飾れるようにしてもらいました。撮影で使った後の建具を利用しているため、今見てもやけにごっついです。
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-メリーゴーランド

この平べったくした飾りたちも、両親の別荘の廊下に吊るしっぱなしにしていましたが、この度、妹母子の住む質素な住まいへと移されました。私は捨てるつもりでいたのですが、妹はぴったりだった!とかなりご満悦です。和室の欄間はいかがなものかと思いつつ、どことなく物悲しいところは確かにメリーゴーランドっぽくていいかもしれません。

影絵的・日常「思い出ぽろぽろ」

両親が長年所有していた鹿島(茨城)の家が売却されることになり、物置き代わりに使っていた私は急遽荷物整理を命じられました。基本、全部捨てて差し支えないのですが、念のためとんぼ返りで行ってきました。
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-油絵

予想通り、ほとんどのものがゴミと化していましたが、大学の頃描いた懐かしい油絵などもでてきました。授業中の落書きの延長で今日に至っている私としては、学生時代もろくな絵を描いていませんでしたが、この絵はなぜだか先生にとても気に入られクラスで最高点をとってしまったため、捨てるに捨てられず鹿島の納戸に突っ込んでいました。ただ、今見てもへたくそな上に大きいので、これは素直にサヨナラすることにしました。(そういえば、中学の教育実習で生徒たちに自己紹介がてらこの絵を見せて、男子の反応を楽しんだりしたな~)
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-ウィスキー

捨てるものあれば、解禁するものあり。この丸い地球儀のようなものは、かつてある飲料メーカーからいただいたもので長い間重厚な木箱に入ったまま封印されていました。中央のガラス玉の中には超高級ウィスキーが入っているらしいのですが、20年以上も熟成させてしまったため飲めるかどうか疑問です。でもこのオブジェはどなたかの手作りのようで、処分するのはあまりに忍びなく、我が家の小さな玄関に無理やり飾ることにしました。まぁこれも、いろいろな思いのつまった品なのであります。土台の金ピカのプレートをはずし、ハンズで買った木の丸板に付け替えるのにえらく苦労しました。

昭和の児童書「だれも知らない小さな国」

「だれも知らない小さな国」
(佐藤さとる・著 村上勉・絵 講談社 1969年)
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-だれも知らない小さな国

『「あった、あった。」水しぶきをあげて、くつにかけより、手をのばした。そして思わずその手をひっこめた。小さい赤い運動ぐつの中に、虫のようなものが、ぴくぴくと動いているのに気がついたからだ。しかし、それは虫ではなかった。小指しかない小さな人が、二、三人のっていて、ぼくに向かって、かわいい手をふっているのを見たのだ。』
 
$真夜中の影絵だより ★・・・-だれも知らない小さな国

一言で言うならば、大人になってから再読したい1冊です。主人公が大人だからかもしれません。子どもの頃、一度だけ出会った小人(コロボックル)たちと、大人になってあらためて出会い、彼らのために土地を買い、家を建て、彼らの世界をそっと見守ります。あー、私がその立場でも、同じことをするんだけどな~。有り金はたいて、残りはローンを組んで・・・。頭の中で現実と空想がいり混じり、なんだかコロボックルに出会えないことが悔しくてなりません。何を夢見がちな、という現実的な大人でも、きっと読み終えた後、思わずコロボックルがいないかと辺りを見渡してしまうのではないでしょうか。
  
$真夜中の影絵だより ★・・・-コロボックルシリーズ

このお話には続編があります。『豆つぶほどの小さないぬ』『星からおちた小さな人』『ふしぎな目をした男の子』・・、どれもそれぞれ楽しめます。なんというか、キジバトを拾った時のような、優しい気持ちになれます。(実際、読んでいる最中にキジバトを拾いました。)言うまでもなく、村上勉さんの挿絵も素敵です。以前、原画を拝見させてもらったことがありますが、とても繊細で感動しました。

影絵的・つぶやき「ゴールデンウィーク?」

$真夜中の影絵だより ★・・・-ボサノバ

あっという間に5月。びっくりです。連休にも入り、ここで作らなくていつ作る!という事態に陥っています。とはいえなかなか家に引きこもることができず、こんな私をなんとかしてーと、誰かに助けを求めたい気分です。とりあえず、連日洗濯だけはまめに行い、服や寝具の衣替えは終えました。
 
ゴールデンウィーク中ということもあり、影絵紙芝居もあちこちに移動しています。1作は北海道へ。昨日は洞爺湖より、影絵を楽しんだ方々から賑やかなお電話をいただきました。その後その影絵は仙台へ。一方、別の2作は劇団円の子ども公演の中で上演されます。私のつたない影絵をみなさんが活用してくださることは本当にありがたいことです。これを励みに、がんばって続きを作ろうと思います!(と、今から外出・・・)