昭和の児童書「ふしぎなつむじ風」 | 真夜中の影絵だより★2005〜2012

昭和の児童書「ふしぎなつむじ風」

「ふしぎなつむじ風」(大石真・著  斉藤博之・絵 あかね書房 1970年)
 
『みんなは、うっとりして、先生のピアノに聞きほれてしまいました。そのころから、雨はいちだんとはげしくなり、あたりはまっ暗になりました。いなずまが、教室の中を青色や白色にてらして、地面をゆるがして、ごうごうと、かみなりがとどろきわたりました。しかし、先生はそんなことには目もくれずに、むちゅうで歌いだしました。

 
真夜中の影絵だより ★・・・-ふしぎなつぶじ風

突如、担任の先生のかわりに現れた不思議な風貌の大きくて怖い先生。その正体を子どもたちがあばいていくというお話です。近所に住む数歳年上の近藤ともこちゃんが持っていた本で、小学生の頃、何度も借りて読み、ともこちゃんがお嫁に行く際、ついに譲り受けました。裏表紙にマジックで「近藤」と書かれたわが家のお宝本です。

真夜中の影絵だより ★・・・-ふしぎなつぶじ風
 
雨の季節になると、よくこの本を思い出します。ワニのような先生が雨の日の音楽室でピアノを弾くことから、私の頭の中には“音楽室=ワニ”というイメージが定着しています。大人になってからこんな影絵 も作ってみました。
 
真夜中の影絵だより ★・・・-ふしぎなつぶじ風
 
大石真さんの作品はとても好きで、特に斉藤博之さんの挿絵が加わるとわくわくしてきます。小学校ってこんな感じだったかな。今となっては懐かしい気持ちにもなれる1冊です。