真夜中の影絵だより★2005〜2012 -52ページ目

影絵制作日記「保育園」

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勝手ながら今週からしばらく「制作日記」とさせていただきます。終戦60年の夏に向けて影絵を作り始めたものですから。画像はスナップ写真で失礼いたします。テーマは戦前の古きよき日本。8月6日の夜、広島の川の辺で行われる追悼コンサートの片隅に展示させてもらおうと思っています。
 

保育園は昔からあったようで、白いエプロン(うわっぱ)を着た子どもたちがブランコの順番待ちする映像を見つけました。(私はたまたま古いフィルムを整理するような仕事をしているのです。)それがあまりにかわいかったので思わず影絵にしてみました。子どもがブランコ好きなのは今も昔もかわらないようです。

影絵的・思い出「8ミリフィルム」

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亡くなった叔父の残した8ミリフィルムをDVDにしてもらったら、私が生まれた時から小学生にかけての様子がたくさん写っていました。中でも特に印象深かったのは幼稚園の時の運動会です。3歳の私はコンクリートのグラウンドで制服のまま運動会をやる“厳格な”幼稚園に通っていたのですが、とにかく苦痛に満ちた表情を浮かべているのです。行進もお遊戯もいやいややっていて時々訴えるような目でカメラを睨みつけます。だるまの着ぐるみをかぶって走らされている姿など我ながら痛々しくて泣けてきました。整列の時はひとり足をもじもじさせ、終いにはスカートの裾を捲り上げてがじがじと噛んでいました。意外におもしろかったのが若き両親の二人三脚です。息が合わずビリになっていました。

影絵的・書評 「ジュンと秘密の友だち」

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送電線がまるで新しい音楽ノートの五線譜のように見えました。(107頁より引用)


■「ジュンと秘密の友だち」佐藤さとる著 講談社文庫

最近満州やら昭和史やら歴史ものばかり読んでいて、そうしたらふと子供の頃読んだこの本を読み返したくなりました。ある人の魂が鉄塔に宿るというお話で、主人公の少年はこの鉄塔を“ダイスケ鉄塔”と呼んでいます。私は今でも立派な鉄塔をみかけるとダイスケ鉄塔だ、と思います。30年近く前の児童書ですが、大人になって読んでもやっぱりいいです。


眠れる夜の影絵ドラマ第7話「不思議な屋台」をUPしました。
http://kageepla.net

影絵的・思い出「ゆりかもめ」

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久々にゆりかもめに乗ってお台場方面へ。窓からは観覧車が大きく見え、アミューズメント施設は人でいっぱいのようでした。ゆりかもめができて間もない頃、私は仕事でミスして急遽お台場の先にある倉庫の一角を使った編集スタジオへ届け物に行くことになりました。都市博中止が決まった直後で無人電車に乗っていたのは私ひとり。まだフジテレビもなく、空き地ばかりが広がっていました。しかも私は迷子になってしまい、電話もなく聞ける人も見当たらず、ひとり夕暮れの埋立地をどこまでも歩き続けたのでした。雑草がさわさわと音をたてる中、時々建設資材を積んだ大型トラックが勢いよく通り過ぎます。心細いながらも影絵の世界だななぁ、などと思って立ち止まりしばしその風景に見入ったことを覚えています。あれはどの辺りだっけ、とゆりかもめの中から探してみましたが、まったくわかりませんでした。


影絵のポストカードを銀座の影絵バー、ロイジービブで販売始めました。

ぜひ買いに来てください!

http://www.roygbiv-ginza.com

影絵的・お知らせ「ヒロシマ」

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今年は終戦60年。私は戦時中のニュースフィルムや原爆投下直後の映像を撮影した記録映画会社でライブラリー業務などやっていた経験から、この節目を意識せずにはいられません。特に思い入れのある「ヒロシマ」をテーマに影絵が作れないかと思い、現地へ取材に行ったのは昨年の11月。それからあっという間に月日だけが流れてしまいました。戦前の古きよき時代の風景を影絵にできればと考えていますが、その時代を知らない私はふだん仕事で見ている古いモノクロ映像でイメージを膨らませています。細々とでもライフワークにしていけたらと思っています。

影絵的・お知らせ「風の動物病院」

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5月1日、従妹が動物病院を開業しました。場所は兵庫県西宮です。地図や画像は取り急ぎ私のHPに載せましたので、お近くでペットを飼われている方、どうぞよろしくお願いいたします。

http://kageepla.net  (もう少ししたら動物病院のHPもたちあがります!)


私はホスピタルカードの影絵とロゴを作りました。最初影絵の中に虹を入れたのですが、ぎりぎりになってやめにしました。理由はペットを飼っている人の間に「虹の橋」という言葉があって、動物は虹の橋を渡って天国に行くとされていることがわかったからです。病院のカードに天国をイメージするものがあってはよくないですものね。ちなみにサンフランシスコなどのバーでの虹はまったく違う意味を持っているそうで、虹の7色をお店の名前にした妹のカフェバーでは、お客さんから「そのうちゲイの人たちがいっぱい来ますよ」と言われたそうです。妹の店はどんな方でも大歓迎の影絵を飾ったカフェバーですので、こちらもよろしくお願いします。

http://www.roygbiv-ginza.com

影絵的・日常「こいのぼり」

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この季節車で遠出すると、山の谷間に大きなこいのぼりがゆらゆら泳いでいる風景を見ることがあります。あぁ、こんな山の中で暮らしている人たちがいるんだなぁ、こどもの日を祝ってもらいながら元気に育っていくこどもがいるんだなぁ、と思うとなんだか胸が熱くなります。帰る田舎のある人がうらやましいなぁと思います。

  

眠れる夜の影絵ドラマ第6話「通り道」をUPしました。
http://kageepla.net

影絵的・書評 「家守綺譚」

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ふと見上げれば、道の脇の、膨らんだ桜の木の芽の間から、
小鬼がつまらなそうに此方を見ていた。(126頁より引用)

 

■「家守綺譚」 梨木香歩著 新潮社
河童、龍、狐、小鬼・・・。どれをとっても影絵的です。確かに古い民家や木には精霊が宿るような気がします。というかぜひ宿っていてもらいたいものです。ついでに我が家のマリモやコケ玉にも・・・。よく街路樹や公園の木の枝が無残な切られ方をしていて心が痛むことがあります。一度にばっさり剪定してしまえばとうぶんほっておけるという市や区の対策なのでしょうが、こんなことでは精霊が宿れない!とつい腹立たしく思います。話がずれましたが、陰陽師の物語がお好きな人はぜひこの本も。時代は違いますが、静かにわくわくできるお話です。あの頃の日本はよかったなぁ、などと生きてもいない昔をいとおしく思ったりもします。

影絵的・日常「葉桜」

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アイスを買いに外に出て、洗濯機を買って帰ってきました。さっそく家に届けてもらいじゃぶじゃぶと洗濯を。料理はほとんどしませんが洗濯はかなり得意です。ボタンひとつですから。ベランダでぱんぱんとシワを伸ばしながら外を眺めると、満開だった桜がすっかり葉桜になっています。この緑とピンクの色合いが私はとても好きです。なにか新しいことを始めたくなります。

 

眠れる夜の影絵ドラマ第5話「贈り物」をUPしました。
http://kageepla.net

 

影絵的・書評 「なんくるない」

 

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そして私はいつのまにか、きじむなーのことさえも忘れていた。(191頁より引用) 

 

■「なんくるない」 よしもとばなな著 新潮社

ふだんの自分はいつのまにか気持ちの糸がぴんとはりつめた状態になっているのでしょうか。沖縄ではそれがほどけて本来の自分に戻れるということでしょうか。確かにそうかもなぁ。文章から伝わってくる南国の空気と強い日差しのせいで、そんなことを実感させられます。この本を読んで、先週ある友人が本当に沖縄に行きました。そしたらおもいっきり雨だったそうです。