影絵的・日常「災害時のストレスケア」 | 真夜中の影絵だより★2005〜2012

影絵的・日常「災害時のストレスケア」

真夜中の影絵だより ★・・・-アリス

 

昨年末、仙台へ行った際、石巻の仮設住宅で生活する人々の表情がやけに気になっていました。このような状況を余儀なくされた人たちへどう接するべきかも、まったく自信が持てずにいました。そんなことがきっかけで、今年に入り、災害時のストレスケアに関する本をいくつか図書館で借りてまとめ読みしてみました。日本は阪神大震災の経験があることから、それを元に精神科、臨床心理の専門家が一般に向けて書かれた本が複数あります。それを読み、あらためて感じたのは、阪神大震災でいかに多くの人が精神的ダメージを強く受けたかということです。ふだん健康な人でも、一時的に自分がへんになったと思ったり、躁(そう)状態になったり、放心状態になったりと、危機的状況は人々を予想もしない心理状態に陥らせるそうです。それでも人間の持つ自然治癒力が徐々に回復に導いてくれる訳ですが、あまりにダメージが大きかったり、悪い環境が長く続くと、鬱やPTSDといった病気も発症してしまいます。身近な人をなくし、家や仕事も失った人がそうなってしまいやすいのは想像がつきます。でもその時、常に誰かがそばに寄りそうだけで、ずいぶん事態は違うようです。

 

それらの本で、ボランティアのあり方についても考えさせられました。やはり長期と短期ではやれることも違うということ、また相手の迷惑になってしまうボランティアの行為も多々あったことなど、事前に聞いていてよかったな、と思えることもたくさんありました。その他、挨拶などのささやかなコミュニケーションが支えになること、逆にふだんそういうことを苦手としている人は、輪の中に入れず孤立感を抱いてしまう場合もあることなど、日々の生活についても考え直す必要がありそうです。

 

最近また、大地震について騒がれ始めています。日常品の備えも大事ですが、こういった本も今のうちに読んでおいたほうがいいと思います!非常時、最後に求められるのは、やはり精神力なはずなので。私は1冊購入し、災害用トイレパックの隣に置きました。大地震の時はまず再読し、避難所ではみんなで回し読みする予定です。そして東北の被災地支援についても、あらためて考えたいと思っています。


私が買った本(絶版につき古本を購入)

心を蘇らせる―こころの傷を癒すこれからの災害カウンセリング