ヒロシマ2008「生きていて本当によかった」
お話を聞かせていただいたお年寄りの中に、原爆投下前日、女子挺身隊の辞令により広島市内を離れた方がいらっしゃいました。出発が1日遅れていたらどうなっていたかわかりません。あの時あの時間、偶然被爆地にいた人、離れていた人、聞けば聞くほど運命について考えずにはいられません。その方は8月31日、実家でありったけのお米をおにぎりにし、お父さんと一緒に市内を訪ねたそうです。本当に何もなかった・・・焼け焦げた自分の学校を通り過ぎ無人の街を何時間も歩き続けると、やがて初めて人と出会い、それが偶然知人の方だったそうです。あの時の安堵した気持ちは今でも忘れられないといいます。